黎明期は「最高の物件」が集まるボーナスタイム
不動産ST(デジタル証券)は、今まさに市場が立ち上がったばかりの「胎動期」にあります。募集単位が100万円・10万円と高めなこともあり、まだ誰もが手を出しているわけではありません。
しかし、金融DXの現場にいる人間から見れば、「今このタイミング」で参入することには、数年後には失われてしまうであろう明確なメリットがあります。
その理由は、プラットフォーム側の「絶対に失敗できない」という強烈な力学にあります。
メリット①:自社保有レベルの「看板物件」が並ぶ
新しい市場を作る際、発行体となる大手デベロッパーや信託銀行が最も恐れるのは、初期の案件で損失を出し、市場の信頼を失うことです。
そのため、現在ラインナップされている物件の多くは、「本来なら一般には降りてこない、プロが自社で持ち続けたいレベルの超優良物件」です。市場の実績(トラックレコード)を作るための「看板商品」が並んでいる今は、物件の質が極めて高い、いわば特選期間なのです。
【現実】人気すぎて「抽選」が当たり前の現状
ここで、現場のリアルな状況をひとつお伝えします。 これほど好条件の物件が並んでいるため、現在、優良な不動産STの案件は「募集開始と同時に応募が殺到し、抽選になる」ことが珍しくありません。
100万円、10万円という決して安くない単位にもかかわらず、「買いたくても買えない」投資家が続出しているのです。なぜこれほど人気なのか? それは賢い投資家たちが、次に説明する「流動性プレミアム」という、今だけの歪んだメリットに気づき始めているからです。
メリット②:不便さの対価「流動性プレミアム」
第3回でも触れた通り、不動産STの現時点での弱点は「流動性の低さ(売却のしにくさ)」です。しかし、投資の世界には「流動性プレミアム」という言葉があります。
「いつでも売れる」株やJ-REITは便利ですが、その利便性の分、価格は高く(利回りは低く)なります。逆に、今の不動産STのように「すぐには売れない」資産は、その不便さを補うために、実態の価値よりも少し高い利回りが設定される傾向にあります。
将来、DXが進んで「いつでも1万円で売買できる」ようになったとき、この上乗せされた利回りは消えていくでしょう。不自由な今だからこそ、高い収益性を享受できるのです。
メリット③:大衆が気づく前の「情報格差」を活かす
『インベスターZ』でも描かれますが、投資の鉄則は「大衆が疑っているうちに構造を理解し、動くこと」です。
現在はまだ「100万円も出して大丈夫?」と多くの人が足踏みをしています。しかし、いずれ1万円単位の投資が普及し、誰もがスマホで不動産を買い始める頃には、優良物件の争奪戦はさらに激化し、利回りなどの条件はシビアになっていきます。
「仕組みが複雑で、まだ多くの人が理解していない」。この情報の格差がある今こそ、冷静に構造を見抜ける投資家にとって、最も有利な条件で仕込めるチャンスなのです。
まとめ:未来の「常識」を、今のうちに手に入れる
「抽選になるなら諦める」のではなく、「抽選になるほど価値があるものが、今ならまだこの条件で参加できる」と考えるべきです。
数年後、流動性が上がり「誰でも・いつでも」買えるようになったとき、その物件の条件は今よりずっと「普通」になっているでしょう。
- 失敗が許されない時期の「超優良物件」
- 不自由さの裏返しである「高利回り」
- ライバルが少ない「先行者優位」
「中の人」として言えるのは、この3つが揃っているのは今だけだということです。100万円という一歩を踏み出す勇気は、将来、大きな「安全と収益」という果実になって返ってくるはずです。

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